なぜ今「口腔機能発達不全症」が注目されているのか?
最近、「ぽかん口」「舌がいつも下にある」「口呼吸が多い」といった子どもが増えていることをご存じですか?
以前は“ただのクセ”として見過ごされていたこれらの症状は、実は**「口腔機能発達不全症(こうくうきのう はったつふぜんしょう)」**と呼ばれ、
子どもの歯並び・呼吸・発音・食べ方に大きな影響を与えることが明らかになってきました。
この疾患は近年ようやく保険での対応が認められ、全国的に注目されはじめている「新しい疾患概念」です。
つまり、「昔は知られていなかったけれど、本当はずっとあった問題」でもあるのです。
口腔機能発達不全症のまま成長してしまうと、機能不全のまま大人になってしまいます。しっかり成長をフォローしていくことで理想的な歯並び・呼吸・発音・食べ方に近づけていく狙いがあります。
口腔機能発達不全症とは?
口腔機能発達不全症とは、簡単に言えば「お口の機能がうまく育っていない状態」です。
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食べる
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飲み込む
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話す
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呼吸する
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唇を閉じる
などの基本的なお口の働きが、年齢に応じて十分に発達していないときに診断されます。
特に3歳〜小学校中学年ごろは、発達の遅れが表れやすく、同時にリカバリーも効きやすい大切な時期です。
こんな様子はありませんか?
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いつも口が開いている(ぽかん口)
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舌が下の前歯の裏にくっついている
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「くちゃくちゃ」と音を立てて食べる
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食べるのが遅い/すぐに飲み込んでしまう
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「さ行・た行」の発音がはっきりしない
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鼻づまりがなくても口呼吸している
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寝ているときにいびきをかく
一つでも思い当たることがあれば、口腔機能発達不全症のサインかもしれません。
なぜ見逃すと怖いのか?
この疾患の怖いところは、「日常の中で見逃されやすい」ことです。
見た目には元気で、むし歯もなく、食事もしている。けれど、
実は【飲み込みの方法が違う】【呼吸が口から】【舌の位置が間違っている】というケースがたくさんあります。
そしてこれを放置していると、次のようなリスクにつながります:
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顎の成長がゆがみ、歯並びが悪化する
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口呼吸が習慣化し、風邪・アレルギーを繰り返す
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食べ方や発音にクセがつき、自信のなさやストレスに
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飲み込みが未熟で、将来的な嚥下障害の土台に
成長の“伸びしろ”がある時期にしかアプローチできない問題もあるため、早めの評価がとても大切です。

いしい歯科での取り組み(おうち矯正とMFTのページはこちら)
いしい歯科では、以下のような流れで評価とサポートを行っています。
【1】初回評価(保険対応可)
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舌圧測定
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口唇閉鎖力測定(リットレメーター)
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嚥下・発音・呼吸のチェック
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口腔内写真・診察・保護者への問診
【2】個別トレーニング(MFT)と生活アドバイス
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ご家庭でできるホームワーク指導
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呼吸・姿勢・舌の位置のトレーニング
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必要に応じて助産師・保育士との連携
【3】月1回のフォローと記録
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成長に合わせて内容を更新
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保護者と一緒に振り返り
保険の適用が可能な場合は、「口腔機能発達不全症」としてしっかり記録・報告したうえで進めていきます。
今もお子さんは成長しています
お子さんの成長は一日一日が大切です。
「ちょっと気になるけど様子を見ようかな…」ではなく、
今できることから始めてあげることが、将来の大きな安心につながります。
まずはお気軽にご相談ください。