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マイオブレース保険で行うMFTの違い:本当に保険の訓練だけで十分?

お子さまの歯並びやお口のクセが気になるとき、「保険でできる筋機能訓練(MFT)だけでも十分なのでは?」と感じる保護者の方もいるかもしれません。これは自然な疑問です。しかし、保険適用のMFTマイオブレースでは治療の目的や内容に大きな違いがあります。ここでは、その違いを分かりやすく説明し、なぜ多くのご家庭がマイオブレースを選択しているのか、その理由をお伝えします。

保険矯正の説明

保険適用のMFT(筋機能訓練)とは?

まず、保険で行えるMFT(口腔筋機能訓練)について説明します。MFTとは、舌の位置や飲み込み方、口唇の動きなど、お口周りの筋肉の機能を改善するためのトレーニングです。保険適用で行う場合、このMFTは主にアドバイスが中心となります。例えば、「正しい舌の位置はここです」「飲み込む時はこうしましょう」といった指導を受け、基本的な練習方法を教わります。
保険の範囲内でできるMFTは、継続的なフォローや評価が限定的です。通常は1,2ヶ月に1回程度の通院で経過を確認し、その間はご家庭で自主的に練習をしていただく形になります。家庭での練習内容も簡単なものが多く、強制力はなく比較的ゆるやかです。さらに、保険のMFTでは全身の姿勢(例えば姿勢の悪さが呼吸や顎の成長に与える影響など)についての指導は基本的に含まれません。また、歯列そのものに直接アプローチする処置(あごの発達を促したり、歯並びを積極的に改善したりすること)は行わないため、あくまで機能面のサポートが中心となります。
つまり、保険適用のMFTは「お口の機能を正しくするためのアドバイスと簡単な訓練」が主な目的であり、定期的な細かい評価や歯並びへの直接的なアプローチは限定的です。
 
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マイオブレースとは?

機能訓練+歯列改善の包括的アプローチ

これに対し、マイオブレースはお子さまの歯並びと口腔機能の両方に働きかける矯正プログラムです。マイオブレースは簡単に言うと、「筋機能訓練(MFT)と歯列矯正を組み合わせた包括的な治療法」です。具体的には、日中や就寝時にマウスピース型の専用装置をお口にはめて使用しながら、舌のトレーニングや呼吸の練習など様々なエクササイズ(筋機能トレーニング)を行います。
 
マイオブレースには公式プログラムがあり、当院でもそれに沿ってトレーニングを進めていきます。さらに、各お子さまの癖や習熟度に応じて医院独自のアレンジを加え、より効果的な指導を行っています。例えば、小さいお子さんには遊び感覚でできる練習を取り入れ、小学生のお子さんには学校生活でも注意して欲しい事をアドバイスするなど、年齢別のきめ細やかな指導を行います。
マイオブレースでは、毎日ご家庭で行うワーク(練習メニュー)が充実しています。ただ練習するだけでなく、きちんとできているかどうかを定期的にチェックし、習得状況に応じて次のステップに進む仕組みがあります。各ステップには「できているか・できていないか」の明確な評価基準(いわば合格・不合格の判定)があり、クリアできた項目が増えるごとにお子さまも自信がついていきます。このようにステップごとに目標を設定して進めることで、確実に機能を身につけられるようサポートします。
さらに、マイオブレースは姿勢指導や呼吸習慣の改善も含めた包括的アプローチです。鼻でしっかり呼吸すること、唇を閉じる習慣、正しい飲み込み方だけでなく、場合によっては首や顎の位置など身体の姿勢にも注意を払い、お口の機能と全身のバランスを整えていきます。
そして最大の特徴は、やはり装置(マウスピース)のサポートによる歯列へのアプローチがあることです。柔らかいマウスピース型の装置を毎日一定時間装着することで、舌の正しい位置づけを助けると同時に、歯が生えるスペースを広げたり顎の成長を適切な方向に導いたりする予防矯正的な効果が期待できます。ただ筋肉の訓練をするだけでなく、装置が物理的に歯列の拡大や歯並びの誘導をサポートしてくれるため、将来的な歯ならびの悪化を防ぐことにつながります。
 
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あなたの目標と照らし合わせて下さい

いしい歯科での保険MFTとマイオブレースの主な違い

保険適用のMFTマイオブレースの違いを整理すると、次のようになります。

  • 目的とアプローチの範囲: 保険MFTは舌の位置や飲み込み方など機能の回復が主目的で、歯並びへの直接的な働きかけはしません。一方、マイオブレースは機能訓練+歯列の改善まで含めた広範囲なアプローチを行います。

  • 指導内容と頻度: 保険MFTでは1,2ヶ月に1回程度の通院で簡単なアドバイスを受け、あとは自宅練習が中心です。通常30分枠の歯のクリーニングなどと合わせて行うので指導の時間は少なめで5~10分程度となります。継続的な細かい評価は少なめです。マイオブレースでは定期的なチェック(おおむね月1,2回のペースで内容も濃密)に加え、毎日の家庭ワークがあります。スタッフがやってみせ、本人にもやらせてみせてワークの理解度を高めます。毎回の診察で前回からの上達を評価し、必要に応じて追加指導を行います。診察診断・説明のみで40分程度の指導となります。

  • プログラムの体系性: 保険MFTには明確なカリキュラムや段階的プログラムはありません。対してマイオブレースは公式プログラムに沿った段階的トレーニングで、各段階ごとに習得すべき課題が設定されています。お子さまが確実にステップアップできるよう、習熟度を見ながら次の段階へ進む仕組みです。

  • 姿勢・習慣への対応: 保険MFTはお口の中の筋肉や癖に焦点を当てますが、姿勢指導や呼吸習慣の改善といった包括的な指導はほとんど行いません。マイオブレースでは、鼻呼吸や唇を閉じる習慣づけはもちろん、必要に応じて体の姿勢にも目を向け、お子さまの全身の発達も視野に入れた指導を行います。

  • 歯列への影響: 保険MFTは筋機能を改善することで間接的に歯並びが整いやすくなることを期待するものですが、直接歯を動かすことはありません。マイオブレースは専用装置の力であごの成長を促し、歯が正しい位置に生えるためのスペースを確保するなど、歯並びそのものに対する予防的アプローチが可能です。

このように比べてみると、「保険でできる範囲のMFT」と「マイオブレースによる本格的な機能矯正」では、できることの幅と深さが大きく異なることが分かります。
「今受けている悪い癖の改善・これ以上悪くしない」が目標なら保険範囲で目標を達成できる可能性が高いです。歯並びへの良い影響もでるはずです。
「悪い癖の改善+すでに出ている歯並びへの改善」を求めるのであればマイオブレースを選択した方が目標を達成できると可能性が高くなります。

お子さんの歯並びが気になるのに「もう少し様子を見ましょう」と言われたら…

今できる前向きな対策

お子さまの口腔習癖や歯並びについて相談した際、もし歯科医から「今のままだと将来的に矯正治療(ワイヤー矯正)が必要になる可能性が高いです」と言われたら、不安になりますよね。しかし、だからといって悲観する必要はありません。将来本格的な矯正が必要になるかもしれないからこそ、今できることがあります。マイオブレースによる早期の機能矯正です。
成長期のお子さまの顎や歯並びは、適切な訓練と導きによって良い方向に変えていける可能性があります。マイオブレースはまさに、その成長のチャンスを活かして将来の矯正を回避・軽減するための前向きなアプローチと言えます。ワイヤーを使った本格矯正は中学生以降に行うことが多いですが、期間も費用も大きな負担になりがちです。それに対し、小さいうちからマイオブレースで機能と顎の成長を整えておけば、歯がきれいに並ぶ土台作りができ、後々矯正が必要になったとしてもその程度を軽くできる可能性が高まります。
「このままでは将来矯正が必要かも…」と言われると暗い気持ちになりますが、マイオブレースはそれを「今からなら改善できる!」という希望に変える提案です。お子さま自身もトレーニングを通じて成長を実感でき、保護者の方も日々の変化に安心感を持てるでしょう。

家族の納得感につながる前向きな選択を

保険適用のMFTマイオブレースの違いを理解することで、「保険の範囲でできることだけで十分かな…」という迷いは解消されるのではないでしょうか。確かに保険内のMFTも基本的な機能回復には有効ですが、歯並びまで含めた総合的な改善を目指すのであれば、マイオブレースという選択肢には大きなメリットがあります。
何より、マイオブレースは単に歯並びを良くするだけでなく、お子さまの将来の笑顔と健康を守るための前向きな投資です。毎日の習慣を見直し、正しい機能を身につけることで、お子さま自身が成長とともに自信を持って美しい歯並びを手に入れることにつながります。私たちも、お子さまとご家族の方が二人三脚で頑張るこのプロセスを全力でサポートいたします。
ご家族の共感と理解を大切にしながら説明させていただきますので、わからないことや不安なことがあればいつでもご相談ください。マイオブレースの選択が、きっと「これを選んで良かった」という納得感のある前向きな判断になるはずです。お子さまの健やかな成長と将来の笑顔のために、一緒にがんばっていきたいと思っています。